海外旅行や海外赴任を計画する際に、その国の「治安」情報は最も重要なポイントのひとつです。近年では、地域紛争、政治的不安定、テロリズム、犯罪組織の影響など、さまざまな要因で世界の治安情勢は大きく変化しています。
この記事では、国際的に信頼される「世界平和度指数(GPI)」や外務省の安全情報などをもとに、2025年時点で治安が悪いとされる国々をランキング形式で紹介します。
以下は、紛争リスク・治安機関の機能・政治不安・犯罪・テロの脅威などを総合的に評価した「治安が悪い国」トップ10です。
1位:アフガニスタン
タリバン政権下で法の支配が不安定、IS-Kや武装勢力によるテロ・攻撃が継続。女性の権利制限も深刻。
2位:イエメン
長期化する内戦、サウジ主導の空爆、フーシ派との抗争により人道危機が続く。飢餓や医療崩壊も深刻。
3位:シリア
内戦・多国籍武力介入・IS残党の潜伏、都市部は瓦礫と化し再建が進まない。化学兵器使用歴もあり。
4位:南スーダン
独立後の部族間抗争が激化。政情不安・軍閥支配・性暴力も深刻。飢餓と貧困の問題も。
5位:コンゴ民主共和国
武装グループの多発、資源を巡る紛争、国軍の腐敗、拉致・強盗などが頻発。東部地域は特に危険。
6位:ソマリア
アル・シャバブによるテロ攻撃、無政府状態に近い統治崩壊。地方は政府の支配が及ばない。
7位:中央アフリカ共和国
民兵組織の抗争が続き、国土の多くは事実上政府支配外。移動の自由が制限される地域も多い。
8位:スーダン
2023年以降の内戦で首都ハルツームまで戦闘が拡大。多数の避難民と人道危機が発生。
9位:イラク
IS残党によるテロや宗派対立が継続。一部地域は安定してきているが、全体としては流動的。
10位:マリ
軍によるクーデター後、イスラム過激派が拡大。フランス軍撤退後は治安悪化。外国人誘拐リスクも高い。
・世界平和度指数(Global Peace Index 2024)
https://www.visionofhumanity.org
・外務省「海外安全ホームページ」
https://www.anzen.mofa.go.jp
・国連(UNHCR, UNOCHA)、国際赤十字、Human Rights Watch などの報告
TOP10以外にも、治安の不安定さや犯罪の多発など、旅行者にとってリスクが高い国・地域があります。
・ギャングが首都ポルトープランスを実効支配
・治安部隊の機能崩壊
・政治空白状態で外国人誘拐・強盗が頻発
・経済崩壊によるハイパーインフレ、医療・治安機関の機能低下
・暴動・略奪・誘拐・スリが日常的に発生
・治安部隊の腐敗も問題視
・ボコ・ハラムやIS西アフリカ州(ISWAP)などのテロ組織が活動
・誘拐・爆破・武装襲撃の危険
・中央政府の統治が届きにくい地域も多数
・麻薬カルテルの抗争が激化。特にシナロア州、ハリスコ州、ティファナ、チワワ州などは要注意
・日中でも発砲事件が発生
・観光地(カンクン等)は比較的安全だが注意が必要
同じ国でも「安全な地域」と「危険な地域」が混在。
多くの国では、都市部や観光地は安全な一方で、地方や国境地帯は治安が極めて悪い場合があります。地域ごとの最新情報を必ずチェックしましょう。
日本の外務省は、国ごとに「危険レベル(1〜4)」を設定しています。
レベル3以上(渡航中止勧告)が出ている地域への渡航は控えるほうが良いでしょう。
・レベル1:注意喚起
・レベル2:不要不急の渡航中止
・レベル3:渡航中止勧告
・レベル4:退避勧告・渡航禁止
👉 最新情報:https://www.anzen.mofa.go.jp/
どうしても渡航が必要な場合は、以下を準備してください。
・外務省「たびレジ」登録
・海外旅行保険への加入(治安不安定地域対応型)
・現地大使館の緊急連絡先の確認
・服装・行動・持ち物に対する防犯対策
近年の世界情勢は非常に流動的で、安全だった地域が突如として危険地帯になるケースも珍しくありません。
そのため、旅行や出張を計画する際は、常に最新情報を確認し、安全対策を万全に整えることが重要です。
命を守るために、「大丈夫だろう」は禁物です。冷静な判断と慎重な行動を心がけて、安全な旅を楽しみましょう。