エスワティニ王国(Kingdom of Eswatini)は、アフリカ南部に位置する内陸国で、旧国名はスワジランド王国(Swaziland)でした。
2018年4月19日、国名が変更され、現地の文化や言語をより反映した「エスワティニ(エマランジェニの地)」に改称されました。
この改称は、国の独立50周年と国王ムスワティ3世の生誕50周年を記念して行われたものです。「エスワティニ」とはスワティ語で「スワジ人の地」を意味し、国民のアイデンティティと誇りを強調しています。
エスワティニには2つの首都があります。行政首都はムババーネ(Mbabane)であり、政府機関や官庁の多くがここに集中しています。
一方、立法首都であるロバンバ(Lobamba)は、王族の主要な居住地であり、国会議事堂が設置されています。また、ロバンバは伝統的な文化行事が盛大に行われる場所としても有名です。
この二重の首都制度は、エスワティニの歴史と現代的な政治構造を反映しています。
エスワティニの公用語は2つあり、スワティ語(Siswati)と英語が使用されています。
スワティ語はバントゥー語族に属し、多くの国民の日常生活や伝統的な儀式で用いられています。
一方で、英語はビジネスや教育、政府の公式文書において広く使用されており、多言語環境が国民の生活に浸透しています。
通貨は、エマランジェニ(Swazi Lilangeni, 略号:SZL)が公式通貨として流通しており、1エマランジェニは100セントに分けられます。
また、エスワティニは南部アフリカの経済協定に基づき、南アフリカランド(ZAR)が公式に通用する珍しい経済圏に属しています。
このため、両通貨が国内で自由に使用可能であり、特に南アフリカとの経済的結びつきが強いことが分かります。
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エスワティニの人口は2023年時点で約120万人と推定されています。
比較的小規模な人口ながら、国民の多くは農村部で生活しており、伝統的な農耕文化が現在でも根強く残っています。
また、都市部では近代的な開発が進んでおり、首都ムババーネやロバンバ周辺には教育機関や商業施設が集中しています。
エスワティニは面積約17,364平方キロメートルの小国で、南アフリカ共和国とモザンビークに挟まれています。
国土は山地、丘陵地帯、草原が広がり、自然が豊かです。特にムリラン国立公園やホハイ自然保護区などの自然保護区では、多種多様な動植物が見られます。また、エスワティニは文化的にも豊かで、伝統的な音楽、ダンス、工芸品が国内外で注目されています。特に有名なのは、毎年8月から9月に行われる「ウンコシ・ウォムハランガ」または「リードダンス」と呼ばれる行事で、若い女性たちが伝統的な衣装を身にまとい踊る壮観な儀式です。
エスワティニ王国は、アフリカ南部に位置し、観光やビジネスを楽しむための安全な場所とされています。
しかし、旅行中に安全に過ごすためには、現地の治安状況についてしっかりと理解しておくことが重要です。
以下に、エスワティニでの治安に関する詳しい情報を提供します。
エスワティニの都市部、特に首都ムババーネ(Mbabane)や第二の都市であるマンジニ(Manzini)では、基本的に治安は安定しています。しかし、都市部における軽犯罪には注意が必要です。
・軽犯罪
スリや置き引きなどの犯罪が、特に混雑した市場やショッピングセンター、公共交通機関の中で発生することがあります。財布や貴重品は手元にしっかりと保管し、人混みや不審な動きをする人には注意を払いましょう。
・夜間の外出
夜間の外出は、特に人通りの少ない地域や暗い道では避けるべきです。都市部では、夜間の治安が多少不安定になることがあるため、可能な限りタクシーや安全な交通手段を利用しましょう。
・交通安全
都市部では交通の流れが速く、車の運転も急なものが多いため、歩行者としても交通ルールを守りながら、安全に移動することが求められます。
エスワティニには観光スポットが多数ありますが、観光地でも気をつけるべき点があります。
・観光地の安全
大半の観光地は観光客のために安全対策が講じられており、現地の警備員やガイドが常に配備されている場合が多いです。自然保護区や動物園、歴史的な場所などの観光地では比較的安全に過ごすことができます。
・人通りの少ない場所
観光地でも、夜間や人が少ない時間帯、特に人目を避けているエリアでは、犯罪が発生するリスクが高くなる可能性があります。早朝や夜間に観光地を訪れる場合は、必ずガイドを同行させることをお勧めします。
・貴重品の管理
観光地でも、バックパックやバッグに貴重品を入れたまま放置することは避けてください。観光中は常に自分の荷物に気を付け、特に市場や観光スポットでは人々が集まっているところでの貴重品の取り扱いに注意が必要です。
エスワティニは近年、政治的・社会的な動きが注目されています。国の政治体制や社会問題に関して、市民の間でデモが行われることもあります。
・平和的デモ
エスワティニの政治状況に関して、市民によるデモや抗議活動が行われることがあります。これらのデモは通常、平和的に行われますが、時には不安定な状況を引き起こすこともあります。こうした政治的な集会やデモには、近づかないことが重要です。デモが発生する場合、政府はしばしばその周辺のエリアを封鎖することがありますので、最新のニュースをチェックして行動するようにしましょう。
・デモへの参加
もし現地でデモや抗議活動を目撃した場合、参加するのは避けましょう。抗議活動が暴力的な展開を見せることがあるため、周囲の状況をしっかりと把握し、危険を避けることが最優先です。また、現地のメディアや政府の発表などを活用して、現状の治安について把握しておくことが大切です。
・治安情報の確認
エスワティニを旅行する前に、外務省や現地大使館の安全情報を確認し、最新の治安状況を把握しておくことが非常に重要です。旅行前に現地の治安に関するアドバイスを受けることで、万が一のトラブルを避けることができます。
・現地の文化と習慣
エスワティニでは伝統的な文化や儀式が大切にされています。特に王室に関連する行事や祭りの期間中は、規制や特別なイベントが行われることがあります。こうしたイベントに参加する際は、現地の規律を尊重するようにしましょう。
エスワティニ王国は、比較的治安が良い国ですが、観光中に安心して過ごすためには、注意深い行動が求められます。都市部や観光地では軽犯罪に注意し、夜間の外出は控えることが推奨されます。また、政治的な動きにも敏感であり、デモには近づかないようにし、常に最新の情報をチェックして旅行を楽しんでください。
エスワティニ王国(旧スワジランド)は、アフリカの中でも魅力的な観光地として知られ、自然と伝統文化が豊かに融合しています。
美しい自然環境と活気ある文化的な祭典、そして地元の工芸品など、多彩な魅力があります。以下に、エスワティニで訪れるべき観光スポットとその魅力をご紹介します。
エスワティニには素晴らしい自然保護区がいくつかあり、アフリカの野生動物を間近に見ることができます。これらの場所は、サファリや動物観察を楽しむ旅行者にとって必見です。
・ムクヤ国立公園(Mkhaya Game Reserve)
ムクヤ国立公園は、エスワティニの最も人気のあるサファリスポットの一つであり、特にサイやキリン、ゾウなどの野生動物を観察できる場所として有名です。
公園内では、ガイド付きのサファリツアーが提供され、動物たちを安全な距離から観察することができます。また、ムクヤはその保護活動でも知られ、絶滅危惧種の保護に力を入れています。自然の美しさと動物たちの雄大な姿を楽しむことができ、エスワティニならではの自然体験を提供しています。
・ハレネ国立公園(Hlane Royal National Park)
ハレネ国立公園は、ライオン、ヒョウ、象、バッファローなどの大型動物が生息する広大な自然保護区で、エスワティニ最大の国立公園です。
ここでは、車でのサファリツアーが人気で、動物たちを間近に観察できるだけでなく、鳥類やその他の小動物も豊富に見ることができます。特にライオンの生息地として有名で、世界的に貴重な野生動物の保護活動が行われています。さらに、夜間サファリもあり、昼間とは異なる野生動物の姿を観察することができます。
エスワティニの文化は非常に豊かで、伝統的な儀式や祭りが年間を通じて多く開催されています。これらの祭典はエスワティニの民族文化を体験できる貴重な機会となり、訪問者に深い印象を与えます。
・ウンフランガ(Umhlanga)
伝統的なリードダンスフェスティバル ウンフランガは、エスワティニで最も重要な伝統的な祭りの一つで、毎年8月から9月にかけて開催されます。この祭りは、リードダンスというエスワティニの女性たちによる美しい踊りで知られており、特に若い女性たちがリーダンスを踊る様子が圧巻です。参加者たちは、エスワティニの王室に敬意を表し、伝統的な衣装を身にまとい、民族的な歌や踊りを披露します。この祭りは、エスワティニの伝統や文化を深く知るための絶好の機会であり、観光客にも広く人気です。
・インカララ(Incwala)
王室を中心とした夏の祭典 インカララは、エスワティニの王室と国民が一堂に集まり、年末から年始にかけて行われる重要な儀式です。この祭りは、エスワティニの伝統的な宗教儀式と王室の儀式が融合したものとして知られており、王国の繁栄と祝福を祈るために行われます。インカララでは、神聖な儀式や祭りが行われ、国の繁栄と調和が祈られます。特に王族の儀式が注目され、王室の神聖な力を感じることができる貴重な体験です。
エスワティニは、地元の手工芸品で有名です。美しい工芸品は、エスワティニの伝統文化を反映しており、旅行者にとって特別な土産物として人気があります。
・ガラス製品(Ngwenya Glass)
エスワティニでは、Ngwenya Glassというブランドのガラス製品が有名です。これは、地元の職人によって手作りされた美しいガラス製品で、特にカラフルな食器や装飾品が特徴です。工場見学ができる場所もあり、手作りのガラス製品がどのように作られているかを見ることができ、旅行者にとって非常に興味深い体験です。
・キャンドル(Swazi Candles)
Swazi Candlesは、エスワティニで非常に人気のあるキャンドルブランドで、色とりどりの手作りキャンドルを販売しています。これらのキャンドルは、アフリカの動物や風景などのデザインを特徴としており、エスワティニならではのユニークな土産物です。観光客は、Swazi Candlesのショップでキャンドルを購入し、アフリカンスタイルのデザインを家に持ち帰ることができます。
エスワティニの人々は非常に温かく、親しみやすいことで知られています。旅行者に対して非常にフレンドリーで、地元の文化や伝統を誇りに思っています。
エスワティニを訪れる際には、地元の人々と触れ合い、文化を学ぶことも旅行の大きな魅力です。地元の村やコミュニティを訪れ、伝統的な舞踏や歌、アートに触れることで、エスワティニの本当の魅力を感じることができます。