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2024.12.12

パキスタンに行く際には治安に注意! 事前に治安の情報をしっかり確認しよう

パキスタンには、インダス文明の遺跡であるモヘンジョダロや、ムガル帝国時代の壮大な建築を今に伝えるラホール城塞とシャーラマール庭園など、ユネスコ世界遺産に登録されている歴史的な観光地が多数あります。

これらの遺跡は、古代から続く豊かな文化遺産を今に伝え、多くの歴史愛好者や考古学ファンを魅了しています。また、日本とパキスタンの友好関係も長く続いており、親日的なパキスタンの人々との温かな交流もこの国の大きな魅力のひとつです。

しかし、近年のパキスタンの治安状況には注意が必要です。特に、テロリズムや強盗といった犯罪が一部地域で頻発しており、渡航者にとってはリスクが高まっているのが現状です。都市部を含めた広範な地域で武装勢力による攻撃や集団犯罪が発生しており、外国人も巻き込まれるケースが報告されています。過去には日本人が巻き込まれた事件もあり、旅行者や出張者は十分な警戒が必要です。

また、パキスタンでは政治的な不安定さも懸念されています。政府と武装勢力の間での緊張が高まると、情勢が急変する可能性もあり、その影響で警備や安全対策がさらに厳格化される場合もあります。特に地方や山岳地帯では治安が不安定で、旅行や観光は控えるべきでしょう。

現在、パキスタンへの観光目的での渡航は推奨されていません。やむを得ず出張や業務のためにパキスタンに渡航する際は、以下のような対策を講じることが重要です。

1.最新の治安情報を確認すること。外務省や大使館のウェブサイトでの安全情報や、現地の情勢を常にチェックし、状況に応じて行動計画を変更する準備が必要です。

2.警備体制が整った宿泊施設を利用し、安全が確保された移動手段を選ぶことが推奨されます。特に移動の際は、公共交通機関よりも信頼のおけるタクシー会社や専用車を利用することが安全です。

3.現地の人のアドバイスを聞くことも大切です。親日家が多いパキスタンでは、日本人に対して親切に接してくれる人が多いため、地元の信頼できる人々と情報を共有し、適切な行動を心がけることがリスクを減らす助けになります。

このように、パキスタンは歴史的・文化的に大変興味深い国であり、多くの魅力がある一方で、安全対策を徹底することが必要です。
今回はそんなパキスタンへ行く際の注意点などをご紹介してまいります。
 

テロや誘拐の被害に遭わないように注意!

外務省の情報によると、現在パキスタン全土でイスラム過激派勢力によるテロが多発しており、渡航者にとって非常に危険な状況が続いています。
特に、アフガニスタンとの国境地帯では、軍や警察などの治安当局が標的となる攻撃が頻繁に発生しており、この地域での安全確保が難しいのが現状です。また、南部の商業都市であるカラチ市においても、外国人を狙ったテロ事件が多発しており、特に欧米人や日本人などの外国人に対するリスクが高まっています。カラチ市は外国企業の拠点が多く、国際的な関心が集まりやすいため、外国人が狙われやすい状況にあります。

ラホール市などの主要都市でも治安は悪化傾向にあり、政府機関や宗教施設を狙った爆弾テロが複数回発生しています。これらの都市では、特に宗教的な対立や政治的な緊張を背景に、テロ事件が発生しやすく、観光客やビジネス渡航者にとっては非常にリスクの高いエリアです。

さらに、カイバル・パクトゥンクワ州(KP州)およびバロチスタン州などの地域では、外国人を標的とした誘拐事件が相次いでおり、現地の治安当局も対応に苦慮しています。誘拐のリスクは外国人だけでなく、ビジネス関係者や国際援助関係者にも及び、日本人も標的となる可能性があるため、最新の情報を常に入手し、慎重に行動することが不可欠です。

在パキスタン日本大使館は、渡航者がテロや犯罪の被害に遭わないために、以下のような具体的な注意喚起を行っています:

・宗教行事や集会が行われている場所には決して近づかないこと
宗教的なイベントや集会の場は、対立が生じやすくテロ攻撃の標的となる可能性があるため、絶対に避けるべきです。特にムスリムの祝祭期間や政治的な集会が増える時期は注意が必要です。

・政府機関や報道機関など、攻撃の標的となりやすい施設への接近を避ける
政府関連施設や警察、軍事施設、メディア関係のオフィスなどは、反政府勢力による攻撃対象となりやすいため、近づかないように注意が呼びかけられています。

・有名なホテルや欧米関連施設、ファーストフード店、レストラン、マーケットなどは短時間の利用に留める
外国人が多く集まる施設や場所はテロリストの標的となりやすいため、必要な用事がある場合でも滞在を最小限にし、できるだけ早めに立ち去ることが推奨されます。特に、外国人が多く訪れるマーケットや高級レストランは、周囲の状況に注意を払いながら利用することが重要です。

また、パキスタンへの渡航を予定している場合、必ず外務省の最新情報在パキスタン日本大使館からの安全情報を確認しながら、自身の安全を最優先に行動することが重要です。

外務省の最新情報
在パキスタン日本大使館

1人での行動などには注意しよう!

パキスタンの治安状況は地域によって異なるものの、特に女性の一人歩きには十分な注意が必要です。南部のカラチなどでは性犯罪の発生も報告されており、女性旅行者は防犯対策を徹底することが重要です。

一人でタクシーに乗ることや、夜間や人通りの少ない道を歩くことは避け、信頼できる交通手段を利用するよう心がけましょう。また、肌の露出を控えた服装を心がけることで、現地の文化やイスラム教の宗教観を尊重しつつ、安全性を高めることができます。パキスタンでは控えめで伝統的な服装が一般的であり、現地の習慣に合わせた服装選びは、旅行中のトラブルを防ぐ助けにもなります。

また、パキスタンでは異性間の接触や交流が制限されている文化的背景もあります。特に男性に対しては、イスラム教徒の女性に声をかけることは控えるよう呼びかけられており、これも尊重すべき現地の文化の一環です。異性間での会話や接触が厳格に管理されている場合も多いため、無用なトラブルを避けるためには地元の人との交流に配慮が求められます。

パキスタンの首都イスラマバードや大都市では、偽装警官による強盗事件も報告されています。このため、現地で「警察官」と名乗る人物に声をかけられた場合であっても、身分証明書を提示されたからといってすぐに信用しないことが大切です。特に、突然の取り調べや荷物検査を要求された場合には慎重に対応し、無闇に身分証やパスポートなどを提示しないよう心がけましょう。

さらに、トラブルに巻き込まれないための具体的な注意点として、貴重品を持ち歩かない、必要最低限の現金やクレジットカードのみを携帯する、見知らぬ人物や通行人の誘導に安易に従わないなどが挙げられます。人が多く集まる場所ではスリや置き引きの被害も多いため、リュックやカバンは前に抱えるなどの対策も有効です。特に市場や観光地といった混雑する場所では、周囲に気を配りつつ行動することが求められます。

パキスタン旅行中は、日本とは異なる治安状況や文化を理解しながら、注意深く行動することが大切です。

強盗などの凶悪事件に注意!

パキスタンの各都市では銃器を使用した強盗などの犯罪が増加しており、特にカラチ市では治安関係者や一般市民を狙った殺人事件や、ギャングによる抗争が年間で800件以上も発生しています。
これらの事件は、一般市民にとっても非常に危険な状況を生み出しており、特に外国人や旅行者は注意を払う必要があります。

在パキスタン日本大使館は、渡航者に対して以下のような具体的な注意喚起を行っています。まず、「夜間や早朝の外出は極力避ける」ことが推奨されています。暗い時間帯は犯罪の発生リスクが高く、特に女性や一人での行動は避けるべきです。また、「外出する際には、近距離であってもできるだけ車を利用し、短時間で用事を済ませるよう心掛ける」ことが重要です。これは、徒歩での移動に伴う危険を回避するための基本的な対策です。

さらに、車を駐車する際には「警備員のいる駐車場を極力利用する」ことが勧められています。警備員のいる場所では、車両の安全がより確保されるため、安心して駐車することが可能です。また、車の乗降時には「周囲の状況に十分注意を払う」ことが必要です。不審者や危険な状況に対する警戒心を持つことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

さらに、車に乗る際は必ず「ドアをロックし」、窓の開閉は避けるべきです。これは、万が一の危険から身を守るための重要なポイントです。窓を開けていると、強盗や不審者に狙われる可能性が高くなります。

移動手段としては、パキスタンでは「運転手付きのレンタカー」を利用することが一般的となっています。この方法は、現地の道路事情や治安の悪化を考慮した際の安全な選択肢です。特にカラチでは、現地在住の日本人でさえも一人歩きを避け、信頼できる運転手と共に移動することが多いと言われています。また、警備員をつけていない自動車が狙われることが多いため、特に銃を携行した警備員を雇うことも一般的になっています。このような対策を講じることで、旅行者はより安全に滞在できるでしょう。

パキスタンを訪れる際は、これらの安全対策を心がけ、現地の治安状況に十分注意を払いながら行動することが大切です。

スマホは常にネットに繋がった状態に!

パキスタンを訪れる際には、トラブルに備えて迅速に連絡を取ることができる環境を整えておくことが極めて重要です。特に、旅行先では予期せぬ事態が発生することがあるため、事前にしっかりと準備をしておくことが安全な滞在につながります。スマートフォンを活用し、常にインターネットに接続できるようにすることで、最新の情報を即座に確認することができ、安心感が増します。たとえば、現地のニュースや交通情報、治安情報などをリアルタイムで把握することで、適切な判断を下す手助けになります。

このような環境を実現するために、現地で使用できるSIMカードやeSIMを利用することを強くおすすめします。これにより、通信費用を抑えつつ、いつでもどこでもインターネットにアクセスできる利便性を享受できます。SIMカードは簡単に購入でき、さまざまなプランが用意されているため、自分の旅行スタイルに合ったものを選ぶことが可能です。また、eSIMを利用すれば、物理的なSIMカードを交換する手間が省け、旅行中もスムーズに通信を利用できます。

さらに、緊急時に必要な情報を迅速に取得できることで、問題が発生した際の対処がスムーズになります。たとえば、万が一のトラブル時に、現地の大使館や信頼できる現地の連絡先に即座に連絡を取ることができるため、安心して滞在を楽しむことができるでしょう。

パキスタンの通信環境に適したプランを選ぶ際は、使用するデータ量や通話のニーズに応じたプランを検討することが重要です。事前に通信手段を整え、現地の状況に応じた適切なプランを選ぶことで、より安全で快適な旅行体験を実現することができます。旅の準備を万全にして、充実したパキスタン旅行を楽しんでください。