サウジアラビアは、日本とは異なり、イスラム教を国教とする国家であり、その宗教的な価値観や文化は旅行者にとって重要な考慮事項となります。旅行を計画する際には、いくつかの注意点に留意することが必要です。
まず、宗教的な慣習や法律に対する理解が不可欠です。イスラム教の教えに従い、豚肉やアルコールの摂取は禁止されているため、これらの食品や飲料を持ち込まないように気を付けましょう。
また、公共の場での服装や行動にも配慮が必要です。特に女性は、ヒジャブを身に着けることが推奨されており、肩や膝を隠す服装を選ぶことが望まれます。これは、現地の文化を尊重するだけでなく、自身の安全を守るためにも重要です。
さらに、サウジアラビアでは一日の中で5回のお祈りが行われます。お祈りの時間帯には、多くの店舗やサービスが一時的に閉まることがあるため、事前にスケジュールを確認し、観光や移動の計画を立てることが大切です。また、現地の人々にお祈りの時間を優先することを理解し、ドライバーやガイドがそのために時間を取る際には、快く受け入れる姿勢が求められます。
今回はそんなサウジアラビア旅行で気を付けるポイントをいくつかご紹介いたします。
サウジアラビア旅行でのアバヤの着用について
サウジアラビアでは、外国人に対するアバヤの着用義務が撤廃され、観光客はより自由な服装選びができるようになりました。
肩と膝を隠す服装であれば、普通のデザインの洋服でも問題ありません。これにより、訪れる人々は自分のスタイルを保ちながら、快適に観光を楽しむことができます。
ただし、現地の女性たちの多くは今でもアバヤを身にまとっているため、体のラインが出にくいワンピースやロングスカートなどを用意しておくと、周囲に溶け込みやすく、よりリラックスして過ごすことができるでしょう。特に、モスク周辺の神聖なエリアに立ち入る際は、ヒジャブ(髪を覆うスカーフ)を頭に巻くことが望ましいため、1枚用意しておくと安心です。これにより、文化を尊重しながら、神聖な場所を訪れる際の心配も軽減されます。
また、現地でアバヤを購入する予定がある場合は、タンクトップや薄手のシャツ、スパッツを持っていくと荷物を減らしつつ、必要な服装を整えることができます。特に、アバヤは重ね着がしやすいアイテムなので、軽量の服を選ぶと、旅行の際も快適に過ごせます。
さらに、アバヤやヒジャブを身にまとうことで、アラビアンな雰囲気のある素敵な写真を撮ることができ、旅行の思い出を彩る素晴らしいポイントとなります。足元に関しては、サンダルなどの軽装も問題ありませんが、サウジアラビアには自然を楽しめる観光スポットが多数存在するのでスニーカーなどの歩きやすい靴がおすすめです。
☑ サウジアラビア現地の服装を楽しもう!
サウジアラビア旅行でのヒジャブの着用について
イスラーム教では、女性は非常に大切な存在とされ、その尊厳や敬意を守るために、伝統的な服装や規則が存在します。サウジアラビアにおいては、女性がヒジャブと呼ばれるスカーフで髪や首を覆うことが一般的です。ヒジャブは、女性の美しさや品位を守るためのものとされており、宗教的な価値観に基づいて着用されています。特に公の場や宗教的な場所では、女性がその服装規定を守ることが期待されています。
サウジアラビアを訪れる観光客であっても、モスクなどの神聖な場所に足を運ぶ際には、例外ではなくヒジャブを身に着ける必要があります。現地の文化や宗教を尊重する意味でも、女性はヒジャブをまとい、髪や首を覆うよう心がける必要があります。ヒジャブを着用していないと、現地の人々や宗教関係者から、丁寧に指摘されることがあります。これは無礼ではなく、宗教的規範を守るための助言であり、観光客に対する配慮の一環でもあります。
そのような場合は、指摘に対して反論せず、現地の方のアドバイスに素直に従うことが大切です。ヒジャブは簡単に着用できるもので、特にモスクやその他の神聖なエリアでは、適切な服装が求められます。観光客として現地の文化や宗教を尊重し、必要な服装を整えることで、スムーズで快適な旅行ができるだけでなく、地元の人々との良好な関係も築くことができます。
☑ 現地の信仰を理解して準備をして楽しもう!
サウジアラビア旅行でのお祈りの時間について
イスラーム教では、信者が一日5回、メッカの方向を向いてお祈りを行うことが基本的な信仰実践の一つとされています。これらの祈りは、太陽の動きによって毎日異なる時刻に行われ、日の出、正午、午後、日没、そして夜の時間帯に分けられています。お祈りの時間が近づくと、街の至る所にあるモスクから流れるアザーンと呼ばれるお知らせのアナウンスが響き渡り、人々はその音に導かれるようにモスクへと足を運びます。
アザーンの後には、コーランが流れ、信者たちは一斉にメッカの方向に向き、心を込めて祈りを捧げます。このお祈りは、信仰心の強さによってその実施の度合いが異なることもあります。例えば、旅行中や仕事の最中にお祈りをするのが難しいと感じる場合、必ずしもモスクに行く必要はないとされています。ただし、イスラーム教徒にとって、お祈りは非常に大切な権利であり、その重要性を理解することが大切です。
そのため、ドライバーやガイドからお祈りに行きたいと提案された場合は、観光の途中であっても快く時間を取ることをおすすめします。信者にとっての祈りの時間は、彼らの日常生活の一部であり、その時間を尊重することで、現地の文化や宗教に対する理解も深まります。
また、5回のお祈りの時間帯を把握するためには、スケジュールアプリを利用すると非常に便利です。アプリでは、地域ごとの正確なお祈りの時刻が表示されるため、旅行の行程を組む際にも役立ちます。特に、祈りのためにお店が閉まることがあるため、お祈りの時間を確認しながら観光プランを考えると、スムーズに旅行を楽しむことができるでしょう。
☑ 現地の信仰を理解して準備をして楽しもう!
サウジアラビア旅行での写真撮影について
サウジアラビアでは基本的に、現地の女性を撮影することはNGとされています。この文化的な配慮は、地域の習慣や信仰に深く根ざしており、他人のプライバシーを尊重することが重要です。写真を撮りたい場所に人がいる場合は、まずその人に対して写真を撮っても問題ないか確認することをお勧めします。特に、女性に関してはその配慮が一層必要であり、許可を得ることが望ましいです。
万が一、現地の方から撮った写真を消してほしいと言われた場合は、必ず素直に応じるようにしてください。無理に写真を保持しようとすることは、相手に不快感を与えるだけでなく、トラブルの原因にもなりかねません。現在、サウジアラビアの人々も多くのスマートフォンを所有しており、日常的に動画や写真を撮影していますが、それでも撮影に関するルールや文化的な感受性を理解し、尊重することが求められます。
一般的には、風景や食べた食事などの撮影は問題ありませんが、観光スポットや地元の文化を楽しむ中で、他者に配慮した行動を心掛けましょう。特に注意が必要なのは、政府関連の建物の撮影です。これらの場所では基本的に撮影がNGとされており、これはテロなどを防ぐためにサウジアラビアが定めている規定です。このため、観光中はそのような建物の前ではカメラをしまうことが賢明です。
☑ 写真を消してほしいと言われたら消そう
サウジアラビア旅行での飲食関連について
イスラーム教では、豚肉を食べることやアルコールを飲むことが厳格に禁止されています。このため、サウジアラビアを訪れる際には、特に注意が必要です。日本からインスタント食品や食べ物を持参する際には、豚肉のエキスが含まれた物や豚肉由来の成分を含む食品全般の持ち込みを避けるように注意をしてください。これらの品々は、現地の文化や法律に反するため、問題となる可能性があります。
また、サウジアラビアでは、手で食べる習慣が一般的で、レストランでもカトラリーが出てこないこともありましたが、近年ではアラビア料理のレストランでもスプーンやフォークが用意されることが多くなっています。そのため、現地の食文化を尊重しつつも、快適に食事を楽しむためにスプーンを使って食べることは全く問題ありません。手で食べるスタイルも魅力的ですが、特に初めて訪れる旅行者にとっては、スプーンを使用することでより簡単に食事を楽しむことができるでしょう。
また、サウジアラビアの料理は非常に多様で、スパイスや新鮮な素材をふんだんに使用しており、地域ごとに独自の風味があります。例えば、マントゥ(肉の詰まった餃子)やフムス(ひよこ豆のペースト)、シシカバブ(串焼き)など、魅力的な料理を堪能することができます。食事を通じて、現地の文化や伝統に触れることができるのも、旅行の楽しみの一つです。
☑ 宗教上の食べ物のNGに注意しよう!
サウジアラビア旅行での通信手段を準備しよう!
いろいろ気を付けるべきポイントがあるサウジアラビア旅行ですが、そんなサウジアラビア旅行で快適にスマホを使うために通信手段の確保は欠かせません。
以下の記事にてサウジアラビア旅行の際の通信に関してご紹介しておりますので、参考にしてみてください。
≫ サウジアラビア旅行の通信事情を徹底解説!WiFiやSIMカード・eSIMどれが便利で快適か!
サウジアラビア旅行の緊急連絡先
・警察:999
一般的な警察の緊急連絡番号です。犯罪や事故に遭遇した場合はこの番号に連絡してください。
・消防: 997
火災や緊急消火の必要がある場合に使用する番号です。
・救急医療: 997
怪我や病気などの緊急医療が必要な場合に連絡する番号です。
・病院
最寄りの病院を事前に調査 旅行中に利用する予定の病院の連絡先を調べておくと安心です。
・日本大使館:+966-11-480-3800
サウジアラビア在住の日本人向けの支援や緊急連絡が必要な場合に利用できます。
・日本国総領事館 +966-12-669-2000
ジッダに位置し、特に西部地域に滞在する日本人向けのサポートを提供しています。
旅行保険会社 契約した保険会社の番号 旅行中に事故や病気に備えて、加入している旅行保険の緊急連絡先を確認してください。
※緊急連絡先は、スマートフォンや手帳にメモしておくと便利です。
※可能であれば、現地の言葉で簡単なフレーズを学んでおくと、緊急時に役立つかもしれません。
※旅行先の地域に特有の緊急連絡先(例えば、特定の観光地の安全情報など)も事前に調べておくと安心です。
これらの情報を把握しておくことで、サウジアラビアでの旅行をより安全に楽しむことができます。